手帳で「振り返り」を見える化する基本:次の行動につながる改善点を見つける方法
手帳やノートを使い始めたものの、なかなか継続できない、目標設定が曖昧なままになっていると感じる方は少なくありません。タスク漏れや目標への進捗が見えにくいという悩みを抱えている場合、その解決の鍵は「振り返り」にあるかもしれません。
「計画の見える化」は目標達成の第一歩ですが、計画を実行した後に「何がどうなったのか」を見える化し、そこから次に繋がる行動を見出すことが、目標達成を加速させる上で非常に重要です。この記事では、手帳を活用した振り返りの基本的な考え方から、具体的な実践方法までを解説します。
「振り返り」とは何か、なぜ手帳で必要なのでしょうか
振り返りとは、単に過去の出来事を日記のように記録することではありません。達成しようとしている目標や実行したタスクに対して、何が起こり、どう感じ、その結果どうだったのかを客観的に見つめ直し、そこから学びを得て、次の行動へと繋げるプロセスを指します。
このプロセスを手帳で行うことは、「計画を見える化」することと同じくらい価値があります。手帳に振り返りを記録することで、曖........
- 現状の把握: 計画通りに進んだこと、進まなかったことを明確にします。
- 原因の究明: なぜ計画通りに進んだのか、あるいは進まなかったのかを考えます。
- 学びの抽出: 成功体験や失敗体験から、次に活かせる教訓を見つけ出します。
- 次への行動: 明確になった学びや改善点を元に、次の目標設定や行動計画を具体的に立て直します。
これにより、漠然とした反省で終わらせることなく、目標達成に向けた具体的なPDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)を回すことが可能になります。手帳に記録することで、これらの過程が目に見える形となり、継続的な改善を促します。
手帳で「振り返り」を見える化する基本的な考え方
振り返りを手帳に書き出す際には、いくつかのポイントがあります。
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何を振り返るか:
- 目標達成度: 設定した目標に対して、どれだけ進捗があったか。
- タスクの完了状況: 計画したタスクはすべて完了できたか、未完了のものはなぜ残ったのか。
- 時間管理: どのように時間を使ったか、無駄な時間はなかったか。
- 感情や気づき: その日の出来事を通じて、何を感じ、何を学んだか。
- 良かった点、改善点: 具体的にうまくいったこと、次に活かしたいこと。
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いつ振り返るか:
- 日次: 1日の終わりに短時間で行うことで、その日のうちに改善点を見つけられます。
- 週次: 週末に1週間を振り返り、全体的な進捗や課題を把握します。週次の振り返りは、次の週の計画を立てる上で特に有効です。
- 月次: 月末に1ヶ月を振り返り、長期的な目標に対する進捗を確認します。
初心者の方には、まず日次か週次の振り返りから始めることをおすすめします。短いスパンで習慣化し、徐々に広げていくのが効果的です。
具体的な振り返りのステップと書き方
手帳で振り返りを行うための具体的なステップと、書き方の例をご紹介します。
ステップ1:事実を記録する(何が起こったか)
まずは、感情を交えずに客観的な事実を書き出します。
- 例:
- 「今日のタスクはA、B、Cだったが、BとCが未完了だった。」
- 「新しいプロジェクトの打ち合わせに参加した。」
- 「資料作成に予定よりも2時間多くかかった。」
- 「週次目標の『企画書を完成させる』は達成できた。」
ステップ2:評価する(良かった点、悪かった点)
次に、記録した事実に対して、良かった点や悪かった点を評価します。
- 例:
- 「Aのタスクは効率よく進められた。」(良かった点)
- 「BとCのタスクは優先順位が低く設定され、後回しになってしまった。」(悪かった点)
- 「打ち合わせでは積極的に意見を言えた。」(良かった点)
- 「資料作成で時間がかかったのは、情報収集に手間取ったため。」(悪かった点)
- 「企画書は質の高いものができたと思う。」(良かった点)
ステップ3:原因を分析する(なぜそうなったか)
評価した内容について、なぜそうなったのか、その原因を深く掘り下げて考えます。
- 例:
- 「BとCが後回しになったのは、Aのタスクを先に終わらせようと集中しすぎたため。または、見積もり時間が不足していた。」
- 「情報収集に手間取ったのは、事前に必要な情報源を整理していなかったため。」
- 「企画書が質の高いものになったのは、事前に類似事例をたくさん調べて準備したから。」
ステップ4:次の行動を決める(どう改善するか、何を継続するか)
分析結果を元に、次に何を改善し、何を継続するのか具体的な行動計画を立てます。これが未来の計画に繋がる最も重要なステップです。
- 例:
- 「次からは、タスクの優先順位付けと時間見積もりをより丁寧に行う。」
- 「資料作成前には、必ず情報源リストを作成する時間を設ける。」
- 「企画書作成の際は、今回のように類似事例の事前調査を徹底する。」
これらのステップを手帳の指定のスペースや、見開き1ページなどを使って書き出すことで、頭の中だけで考えていたことが目に見える形になり、改善への具体的な行動が見えてきます。
振り返りを継続するためのヒント
振り返りを習慣化することは、手帳を継続して使う上で非常に効果的です。
- 短い時間から始める: 完璧を目指さず、まずは5分でも10分でも良いので、毎日、あるいは毎週決まった時間に振り返る習慣をつけましょう。
- 決まったフォーマットを作る: 振り返りの項目や書き方をある程度固定することで、毎回何を書くか迷うことがなくなり、継続しやすくなります。
- 小さな成功を認識する: 振り返りによって「こんな改善ができた」「目標に一歩近づいた」といった小さな成功を自覚することは、モチベーションの維持に繋がります。
- 振り返りの時間も手帳に組み込む: 振り返りの時間をタスクの一つとして手帳に書き込むことで、忘れずに実行できます。
まとめ
手帳を活用した振り返りは、単なる過去の記録ではなく、未来の目標達成を加速させるための強力なツールです。計画を見える化するだけでなく、実行した結果を見える化し、そこから具体的な改善点や学びを見つけ出すことで、あなたの計画はより洗練され、目標達成への道のりは着実に進んでいくでしょう。
まずは小さな一歩として、日次や週次の振り返りから手帳に書き出してみてはいかがでしょうか。この習慣が、あなたの目標達成を大きくサポートしてくれるはずです。